今回は上野の森美術館ギャラリーにて個展を開催した際にお見せした作品と旧作、小品を一緒に展示致します。私は植物や動物など具体的なモチーフがあるものも、日常の風景や些細な事象から感じとったものをテーマにした抽象的な表現も、同時進行で描いていきます。小さなパーツが増殖し、やがて画面を覆い尽くし、描く部分と描かない部分を分けることでお互いを引き立てあうような構成を考えています。また画面の中に一定の遠近法は無く、パーツごとがコラージュのように重なり合い、組み合わせて描いています。一見方向性が異なる表現ですが、私の中ではあまり大きな差は無く今のところうまく共鳴しあっています。
今後はもう一つの表現として具象と抽象の間を探っていきたいと思っています。
画面の表面は大きく絵の具が隆起していたり、べっとりと覆われていたり荒く削られていたりする部分と繊細な描写が上手く噛み合い調和する表現を探っていきたいです。