福市幸子展
FUKUICHI Sachiko
2019.5.27(mon) - 6.1(sat) ギャラリーなつか
Original Evidence
―月愛でる龍神は、月の尊厳は守られると、言うのだろうか―
見上げているだけで、込み上げてくる月への愛しさ、淡い夜が深まると、
光を投げかけ、存在を教えてくれる。夜空に煌めく、その姿は、定められ
た神話のように、心の中を魅了する。
潮の満ち干、生命のサイクル、月のパワーの恩恵は、紛れもない事実と
して、時を刻む。悠久の進化の中の胎内での人への道程をも、無意識の
記憶として授けられるのも、月の光の秘かで、確かな出来事なのか。
満ちて、満ちて、満ちたりる。龍神と月は、天のララバイにくるまれて、ゆ
れながら、たとえ、人類が、進歩という名の下に、月へ進出したとしても、
月が内包するであろう豊かなマテリアルが、讃美の生贄になることなく、月
の尊厳は守られると、龍神は、言うのだろうか。
手の届かない神秘な月は、
美しいのか?