平田達哉展
HIRATA Tatsuya
2021.9.20(mon) - 9.25(sat) ギャラリーなつか
― 表現の汽水域 ―
描き始める時はいつも朧げだ。観念的イメージと実在の画像があたかも河川の淡水が海に出会ったときの様に戸惑いながら分離して、靄の様に揺らいでいる。線と面と色彩が互いを探るように見合っているのだ。線の流れ、色や形、配置などの理想をあれこれ模索しているうちに、やがてひとつの必然性に収束していく。動かしようのない唯一の地点に至った瞬間に、豊潤な水域にたどり着いたと気が付く。そして絵が完成する。