李佳妮(リ・カジ)展
Li Jiani
2019.6.24(mon) - 6.29(sat) ギャラリーなつか
李佳妮は鋳込み技法を使い、磁器を素材とした作品を制作する。鋳込み技法は石膏型の中に泥状の土を流し込み、型の内側に皮膜ができるのを待ち、残った泥状の土を流しだすことで薄い膜状構造を持った造形を作り出す方法である。風船のような中空構造で、かつ繊細で密度のある表面を作りだせるという特徴がある。
李は粘土原型から焼成後に至るまでの長い過程の途中で、何度も表面を磨き込み形の曖昧さを排除する。細部まで緻密に計画された形態を極限まで追求することでその造形は生命力を帯びることとなる。これまでの常識を超えるスケール感を現実のものとすることも含め、李独自の技術が生み出す白い肌を持った磁器による造形作品は、有機的な生命とそのエネルギーを感じさせる新しい表現世界を構築している。