たまびやき
多摩美術大学工芸学科/陶/選抜作品
石井藍子・木村佳奈・佐藤優衣・鈴木希果・關尚代・百崎優花
2019.9.23(mon) - 9.28(sat) ギャラリーなつか
石井藍子 ISHII Aiko
幼い頃に出会った、夏の少しジメッとした部屋の窓際に佇む女性。それは背中を向け、表情も伝 わらない。なんだか艶めかしい、ずっと見ていたい光景だった。夢なのか現実なのかわからない 曖昧な記憶。それから私は目の前の相手を存在ごとトレースして感知するようになった。目の前 にいる人は本当に存在してるのか、いまでもよく分からない。
木村佳奈 KIMURA Kana
「触る」とは、それが何であるかを「探る」ことである。
この作品は、触ることで生まれた問いや発見を消化しようと何度も無意識に自問自答し、探る。そして何度も反芻することでやっとモノとして実在し、消化するまでを表現した。
鈴木希果 SUZUKI Kika
見えないものをえがく。
one’s portraitは、ポートレート作品のシリーズである。
私は、人をひとつの生命体として認識する。人物画を描くのではなく、その生物の生命性を描いている。no.1はone’s portraitの第1作目として制作した。
關尚代 SEKI Naoyo
「つい」
おいしくて ついつい手が伸びてしまう手羽先。しかし、冷静に考えてみると手羽先という部位は一羽のニワトリに対して一対しかない貴重な部位だったのです。
私はそんな貴重な手羽先への、感謝や尊さ、哀悼の意を装飾によって表現したいと思いました。
「神話の子孫」
自らの作品を振り返ってみて、トリのフンが木の枝につき、その枝に寄生し成長するヤドリギを思い出しました。他の生物についたり、内部に入り込んだりしてそこから栄養を摂らなければ生活できない寄生生物。
私の作品も私の心惹かれた形に寄生し、根をはるように私の手を這わしていき、1つの塊となります。私はこの制作スタイルを「寄生型装飾」と呼ぶことにしました。